2025/10/18(土) 07:16
佐久市で移住者をサポート|空き家ゼロを目指すホシノマチ不動産 牧原一樹さんインタビュー
「お客様とは最初から友だちのように接することを心がけています」 そう語るのは、ホシノマチ不動産の牧原一樹さん。
人と話すことが好きで、地域や移住者との関わりを楽しむ一樹さんは、佐久市で「地域の空き家ゼロ」を目指す不動産の仕事に取り組んでいます。
牧原一樹プロフィール •ホシノマチ団地の運営、不動産問い合わせ対応、移住相談 •これまでの経歴: 建材商社(営業職) → 木造建築専門学校 → 工務店勤務 → ㈱みんなのまちづくり勤務で佐久市へ移住 → 現職
移住者の住まいをつなぐ仕事に
もともとホシノマチ団地の運営スタッフとして移住相談をしていました。
ホシノマチ団地は移住者向けの住宅なのですが、21室しかないんですね。
21室満室になっても、問い合わせが絶えず、移住希望の方々に地域の住まいを紹介できないかという想いがありました。
そんな中で、ホシノマチ不動産が立ち上がることになったため、佐久地域で移住を考えている方のための不動産相談にも携わるようになりました。
人と話す楽しさを仕事に活かす
佐久市に来る前は建材商社での営業をしていました。
人と話すことが楽しく、営業をもっとうまくなりたいという想いがあって、本を買って勉強したりもしました。
営業で大切なのは、相手が必要なことは何かを把握することです。
そういう点で、その人を知りたい、話をしたいというところが活かせているかと思います。
また、建材を扱っていたこともあって、どういった家にはどういったものを使ったら良いのかということもわかります。
また、リノベーションが必要な空き家は、大体どの程度の費用が必要かということも、わかります。
相談をされた時に、その場で費用感がお伝えできると、その後を考えるお客様にとってはスピーディーに進めることができますし、客観的な立場で相場をお伝えできるので、安心にもつながっているのではないかと思っています。
佐久市の魅力
私はホシノマチ団地のスタッフになることがきっかけで佐久市に来ることになったので、佐久市がどういうまちかは知りませんでした。
そして、実際来てみると、第一印象は「仕事をしたくなくなるほどの(笑)開けた景色とのどかさ」でした。
実は、最初は長く住むつもりはなかったんです。
でも、景色も気候も良いし、子どもの教育面でも様々な教育方針の学校があり、選択肢も多い。
佐久市に来てから子どもが生まれることになり、教育面も考えるようになりまして、今ではすっかり佐久の魅力にハマっています。
仕事で大切にしていること
移住相談のなかで「この人は移住には合わないな」と感じたら、はっきり伝えます。
商売優先で押し切ることはしません。
これは、ホシノマチ団地でもホシノマチ不動産でも同じです。
その理由は、引っ越した後は、お互いが移住者仲間になるからです。
仲間がつらい想いをするのを見たくありませんし、せっかく移住するのであれば充実した生活を送ってもらいたいと思いますよね。
そのため、お客様とも「最初から友だちのように」フラットに接するよう心がけています。
短期的に見ると、商売を後回しにするので経営的には厳しい時もあるかもしれません。
しかし、お客様のベストを提案するのが私たちの役目だと思っています。
この仕事をしてからの変化
リモートワークで働く移住者の方々を見て、こんな働き方もあるのだと視野が広がりました。
ちょうど佐久市に来たのがコロナの時期だったので、移住者もリモートワークの方が多いんですね。
それまでは営業という仕事だったので、お客様と顔を合わせるのが当たり前。
むしろ、直接顔を合わせてなんぼの世界だったのですが、リモートワークでもそういった関係は築けるのだということは刺激になりました。
今、私たちが扱っているのは、地域の不動産屋さんが扱わないような長い間放置されていた空き家だったり、ボロボロで絶対買い手がつかないだろうと思われている物件が中心です。
それは、佐久市というまちをより良くしていきたい、地域の困りごとを解決していきたいという想いがあるからです。
新築などの物件を扱えば経営自体は楽になるのかもしれませんが、あえてそこにはこだわらず、地域が幸せになるような取り組みをしていきたいです。
地域の空き家ゼロを本気で目指す
本気で「地域の空き家ゼロ」を目指したいと考えています。
佐久市には、2022年時点で約2700件の空き家があると言われています。
実は、2016年当時は約3100件だったので、6年で400件ほど減ったのですが、新たな空き家が出てきているのも事実です。
空き家には、いろいろな事情があると思いますが、そういった一人ひとりの事情を考えながら、解決できると良いなと考えています。
そのためには、私たちだけでは不十分だということも認識しています。
移住者も地元の方も、ホシノマチに関わった全ての人を巻き込んで活動していきたいと思っています。
みなさん地域を良くしていきたいという想いは一緒なので、目指していく方向は同じです。
お互いの得意なところを活かして、地域の課題解決をしていきたいと思っています。
空き家は、欲しい人が必ずどこかにいます!
インタビュアー(恩田真紀子)から
人と話すことが好きで、気づけば人と町をつなぐ役割を担っていた牧原一樹さん。
本気で地域のことを考えているから、移住相談では率直な意見を伝え、移住者を友人のように迎える姿勢は、ホシノマチ不動産の大きな特徴だと思いました。
宅地建物取引士の沙織さんにもインタビューしてみて、共通するのは「正直さ」と「移住による地域貢献」。
「地域と移住者をつなぐ不動産屋」として、空き家ゼロを目指す取り組みは、きっと佐久市と移住者の未来を明るくしていくのではないかと思いました。
