2024/02/21(水) 00:34
賃貸管理を任せるメリットとデメリット-自己管理と3パターンを徹底比較-
管理する物件が増えてきて、管理を任せてみてもと思いつつ、その分費用はかかるので、なかなか思いきれない。
それに管理会社によって費用や質も違ってくるはずで、どこの会社が良いのだろうか。
そもそも、客付けをしっかりしてもらえるのかも不安だし。
賃貸管理を任せることで、自由な時間は増えるものの、その分コストがかかる。
そのどちらを取るかを決めるには、いろいろな観点の情報が必要かと思います。
賃貸管理を任せることのメリットとデメリットを把握することで、ベストな選択をしていただければと思います。
賃貸管理を委託することのメリットとデメリット
賃貸管理をお願いすることのメリットは、何と言っても管理の手間が省けることかと思います。
入居者の対応は365日、24時間対応する必要がありますし、管理している物件が遠方にあれば、そこまで行って対応する必要も出てきます。
そういった労力がかからなくなるのは大きいかと思います。
また、知識や経験がある会社が対応するので、トラブルの拡大が防げるといったメリットもあると思います。
一方で、デメリットについては費用がかかることです。
一般的に家賃の5%程度が管理費として管理会社に支払う金額になるので、それに見合うだけの業務を管理会社が担えるかといった部分もポイントになります。
賃貸管理業務の委託の内容は3パターン
賃貸管理業務をお願いするといっても、委託の方法はいくつかあります。
どこまで任せるかによって、委託料も変わってくるため、確認しておきたいと思います。
入居者対応業務
入居してから退去するまでの間の入居者対応全般を行う業務になります。
- 入居手続き
- 賃貸借契約の締結や契約更新の手続き
- 入居者や大家さんへの連絡、要望の調整
- 賃料の徴収、未収金の督促
- 入居者同士や近隣などからのクレーム対応
- 退去の受付手続き、敷金の精算
といったものがあります。
家賃の管理は毎月行うことですが、クレーム対応は突発的な内容になります。
契約更新は2年に1回といった定期的なものなので、しっかりと把握しておく必要があります。
建物管理業務
もう1つは、建物の管理に関する業務です。
- 共有部分の清掃や保守
- 法定点検などの実施
- 設備の定期検査の実施
- 中長期修繕計画等の把握とアドバイス
- 建物や設備に関するクレーム対応
- 退去後のリフォーム対応
といった内容になります。
水が出ない、換気扇が回らないといった入居者からのクレームで、設備関係のものはこちらに含まれますが、専門的な部分は地域の工務店などにお願いする形になります。
一括借上げ、サブリース
こちらは、入居者対応や建物管理だけでなく、資産管理そのものを任せる形です。
そのため、通常、建物管理を委託した場合で、入居者から設備の不具合が来たら大家さんが費用を負担して直しますが、サブリースの場合はすべて借り上げた会社が行います。
大家さんとしてはほぼノータッチの運営となる形式です。
そのため、空室があっても、なくても一定の収入が大家さんには入ってくる形になります。
管理の種類によるメリット・デメリット
管理の方式は委託に加えて、自分で管理する自己管理もありますが、その4つの方法でそれぞれメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
自己管理 | ・管理費用の節約 ・入居者や建物の状況を直接把握できる ・入居者との関係構築ができ、トラブル予防になる | ・すべての対応を行う手間がかかる ・クレーム対応の負担 ・夜中や休日の対応の必要性 ・賃貸の市場動向を把握し、家賃設定などの検討を行う必要性 |
入居者対応委託 | ・入居者へ直接対応することが不要 ・入居者にとっては、専門業者へ連絡できる安心感 | ・管理報酬などの費用がかかる ・入居者の募集費用は別途必要なことが多い |
建物管理委託 | ・設備関係のクレーム対応が不要 ・工事は管理会社が選定する施工会社に依頼するため費用が安くできることがある ・法定点検などの見落としがなくなる | ・管理報酬などの費用がかかる ・品質保持のため、管理状況の確認は必要 |
サブリース | ・賃貸経営の負担はほぼなくなる ・賃料が補償され、安定した収入が見込める ・空室管理などの業務リスクが減る | ・運営会社の保証料がかかる ・入居者の情報が把握しにくい ・将来的に保証家賃が減額されることがある |
費用と手間でいうと 自己管理<建物管理委託・入居者対応委託<サブリース といった形になります。
建物管理、入居者対応委託は5%程度の手数料になりますが、サブリースの場合は10〜20%程度といったところが一般的です。
管理内容についてはリモートでできること、直接物件へ訪問する必要があることにも分けることができます。
できる限り管理費用は安く済ませたいということであれば、リモートで対応可能な業務は自身で行い、それ以外の部分を管理会社に依頼するといった方法も考えられます。
管理会社の選び方
委託する管理会社については、インターネット上だと任せてみないとわからない部分が多く、不安なところも多いと思います。
また、営業担当者と管理担当者は分かれていることも多いので、営業担当者は感じが良かったけど、管理は今ひとつといったこともありえないことではありません。
事前にコンタクトを取った段階で確認できる最低限のポイントについてお知らせしたいと思います。
レスポンスの早さ
問い合わせをした際にすぐに返事があるかどうかといった点は、入居者との信頼関係構築においても大切です。
コンタクトを取った時の対応の丁寧さももちろんですが、迅速な対応が可能な状況かを見ておきましょう。
物件との距離の近さ
クレーム対応は現場を確認する必要も出てきます。
物件に近い店舗がある会社であれば、それだけスピーディーな対応ができますので、管理会社が設置している支店の場所についても把握しておきましょう。
管理経験歴
不動産会社だからといって、すべての会社が賃貸管理業務の経験があるわけではありません。
賃貸の入居者募集は行ったことがあっても、管理の方は経験がないといったこともあります。
そのような経験があるかどうかを確認しましょう。
管理会社の強み
管理会社によって、
- 建物の修繕が得意な会社
- 家賃の滞納処理が得意な会社
- 空室が出た時に入居者募集が得意な会社
といった強みが異なります。
お願いしたい内容で強みのある会社に依頼しましょう。
業務範囲と費用
これまで見てきた通り、賃貸管理をお願いする場合は、入居者対応や建物管理といった様々な業務が対象となります。
その中のどれを委託できるのかといったその管理会社が対応可能な業務範囲と費用について確認しましょう。
安いと思ってコンタクトを取ったのは良いものの、家賃の収納代行までお願いしたいと思っていたのに、その場合はもっと費用がかかってしまったということも考えられます。
正直なところ、物件の築年数や立地などによって管理の煩雑さは異なってくるため、すべての物件を一律で同じ金額でということにはなりにくいと思います。
特に家賃の安い物件は、手間はかかる傾向にあるため、%が高めになる傾向にあります。
賃貸管理を依頼する際には、いくつかの会社にコンタクトを取ってみて、比較検討しておくのが良いかと思います。
一度依頼してみると、その経験が他の物件にも活かせるので、その後は楽になってくると思います。