2024/07/22(月) 02:43
移住失敗ブログ、動画のまとめ -リアルな声から明らかになった2つの事実-
移住をするからには、失敗したくない。
そう思うのはみなさん共通しているのではないでしょうか。
成功した理由は偶然でも、失敗した理由は共通であるということも言われており、移住に失敗した経験者のブログやyoutubeの動画から、その理由を明らかにしました。
こちらをご覧いただければ、移住に必要な要素とともに、失敗しないための心構えについてもご理解いただけると思います。
失敗というのは、移住先から元いた地域、もしくは他の地域に戻ってしまったことを言います。
もちろん、移住先では小さな失敗は多くの方が経験すると思いますが、その地域から出ていくというのは決定的な失敗であり、みなさんが最も経験したくないだろうということで、この観点からまとめました。
少しでもみなさんの不安解消に役立てば幸いです。
移住の失敗談を語っているブログ、動画のまとめ
調べてみるとわかると思いますが、失敗した人が自らブログや動画を公開しているという例は非常に少ないです。
失敗するパターンやまとめというのは記事などで出てきますが、それは本人ではなく、事例を見てまとめているため、リアル感というのは薄いです。
また、失敗といっても、ご近所トラブルや苦労したことぐらいで、現実的に転居するにまでは至っていないものも含まれているので、致命的な失敗がわかりにくくなっています。
今回、失敗した本人が発信しているものをまとめました。
5つの失敗理由 田舎に移住して失敗しました。
発信日:2019年7月29日
20代後半に長野県塩尻市に移住し、失敗して東京に撤退した方の話です。
5つのポイントを失敗の理由として挙げています。
- エンターテイメントがほぼ皆無
インターネット回線がISDNなどでネット上でも情報が得にくいことが挙げられています。
2019年時点だからかとは思いますが、地域によってはまだまだ未整備のところもあると思うので、インターネット回線については注意が必要です。
- 気軽にお酒が呑めない
車移動なので、飲み会が頻繁に開催されないといったことが挙げられています。
地方だと飲んで帰るために代行運転がある地域もありますが、自治体の規模でない地域もあるので、注意が必要です。
- 友達や親族が身近にいない
親しい人に会いに行きたいなと思うと、お金と時間がかかるということが挙げられています。
- 独特の気候
豪雪地帯のため、歩くときにアイゼンという靴底につけるトゲトゲが必要だったり、スタッドレスタイヤが必要でコストがかかるということ。
日中と夜の寒暖差が10度以上と激しいので、体調を崩すといったことが挙げられています。
- 独特なコミュニケーション
地域ごとにコミュニケーションの取り方には違いがあり、関西、東海、関東と過ごしてきた筆者にとって、なじみにくい関係だったようです。
家族の負担増 田舎移住に失敗しまして。~田舎に来たけど都会に帰ります~
発信日:2019年7月24日
2020年に転職をして、実際に都会に戻った方のブログです。
詳細についてはあまり記載がありませんが、夫婦での移住の結果、パートナーに一方的な負担をかけてしまったのが失敗の原因だと述べられています。
解決できそうかも明確にしないまま移住したのが最大の失敗要因という分析もされています。
ご自身というよりは、ご家族の意向を大切にされたという感じかと思います。
自身の意向と地域の考えの相違 【移住失敗】色々ありすぎて引っ越すことになりました#31
発信日:2022年12月16日
愛媛県新居浜市に地域おこし協力隊としてご家族で移住した方の失敗経験です。
住民トラブル、持病の悪化、被災による住居の水害の3つを原因として挙げられています。
地域おこし協力隊の活動は、古民家の再生、地域の魅力発信、行政や青年団体との連携をして、移住促進のPRを行うことをミッションとされていました。
一方で、2割は地域の活動を行うこととされていたのですが、その地域活動が特定の団体の活動を手伝うことなのか、県道の草刈り、学校の清掃、民家の片付けの手伝いなどでも良いのかといった部分に食い違いがあったようです。
そこがきっかけで団体との関係性が悪くなり、体調を崩してといった形になったようでした。
NHKが地域おこし協力隊側、地域側の両方を取材してまとめた動画も出ています。
地域の暗黙のルールの認識不足 【移住失敗】精神的にもう限界。引越します。田舎移住の末路#27
発信日:2024年4月12日
地域の暗黙のルールが原因で転居となった方の動画です。
具体的には、なりわい(生業)として、鳥の飼育を行っていたのですが、鳥インフルエンザが心配という声があがります。
家を借りて事業を行っていたようなのですが、借りている家で自由に何でもやって良いかというと、そうではないというのが地域の意向だったようで、その間での認識違いが広がっていった結果、転居になったようです。
一度認識違いが出てしまうと、
- 庭や畑の手入れができていない。
- 預けていた資材がなくなった。働かずに動画撮影ばかりをしている。
といったいろいろな批判も言われるようになったようです。
古民家のコストに耐えられず 【もう無理】古民家生活はツラかった...。引っ越しします。
発信日:2023年3月3日
こちらは地域のトラブルというよりは、古民家という家の問題によって、転居を考えた方の動画です。
要因を3つ挙げています。
- 掃除が大変
古民家は拭いても拭いてもほこりが落ちてくるということです。
余計な家事が増えることでのストレスを挙げています。
- 寒さが大変
すきま風や断熱性が低いので、寒いのに加えて、暖房をつけても保温性が低く、光熱費がかかります。
それを直すには新築と同じような値段がかかるということが挙げられていました。
- 直す部分が多いので、そこに思考、時間、お金が奪われてしまう
常に修繕、改善したい部分が見つかってしまうので、次はここを直したいということで、頭がいっぱいになってしまい、また修繕のためにはお金もかかるということでした。
時間もお金も家を直すことに使われてしまって、他のことに使える脳の許容量が少なくなってしまうことに気づいたということでした。
最後に、決定的な要因として、もともと買う前提で賃貸をしたところ、リノベーションをして、3年経っても大家さんが売ってくれなかったということを挙げています。
誘いを断ったことの影響 【移住失敗】村から逃げ出した理由をご説明いたします。
発信日:2023年3月24日
北海道の鶴居村に移住した女性で、村の男性から2人で会いたいという誘いを断ると、自身に対する悪い噂が増えていったということでした。
地域の人に相談しても会わないと村で生きていけないということで、避難する形で転居したということでした。
失敗理由のまとめ:結局はお金と人間関係の2つの問題に集約
失敗事例からわかることとしては、結局、問題はお金と人間関係に集約されるということです。
お金で解決ができることはお金で。
人間関係についてはお金で解決できないので、工夫が必要ということかと思います。
住まいの問題も、仕事の問題も、娯楽の問題もお金があれば、解決できることがほとんどです。
お金がない中で、どうするかを考える中で、ちょうど良いものをしっかりと選択できることが大切なのかと思いました。
この部分はしっかりと経験者などに相談をするのが良いかと思います。
人間関係については、自身の問題と家族の問題の2つに分かれます。
自分では問題ないけど、家族からすると大きな課題といったことがあるので、そのあたりの認識は移住前からしっかりと話しをしておく必要がありそうです。
移住においては、何かをしたいという想いがある人がほとんどかと思いますが、自身のやりたいことが地域で受け入れられるとは限りません。
また、自身がやりたくないことも、地域が求めてくることがあります。
このあたりも地域によって違いがあるので、実際の声を聞いてみるのが良いかと思います。
無難な選択としては、移住者が多い地域かと思います。
移住者が少ないということは、それまで閉鎖的で独特の地域性をもっているからこそのことかと思います。
移住前に何年か通ってみる、もしくは移住者の多い近隣に引っ越してみて、そのエリアの雰囲気を感じてみるといったことが大切かと思います。
失敗した現実の声はほとんどインターネット上に公開されていない。
今回調査して気づいたのは、移住に失敗したということを自ら発信している方は非常に少ないということです。
もちろん、取材記事はありますが、その場合はあくまで第三者が聞いた話を掲載しているという形です。
この理由について考えてみましたが、
1つは、そもそも発信したいと思わないからではないかと思います。
自分の失敗体験を披露して他の方の参考になればという方はそれほど多くないと思いますし、つらい経験を文章にして、残しておくというのも気持ちとしてはなかなか整理しにくいのではないかと思います。
もう1つは、本人が失敗だと思っていないということもあるのではないかと思います。
発信している方の中には、一生住み続けられなかったことを失敗と言っている方がいます。
その場合は、3年間地域で暮らしていても転居したら失敗となります。
もちろん、住み続けたいのに住み続けられなくなったというのは失敗かもしれませんが、自身の環境が変化すれば新天地を求めるというのは当たり前のことではあるので、失敗と考えなくて良いのではないでしょうか。
実際に移住生活を楽しんでいる方は、何かあったら他の地域に行けば良いという思考の方が多いです。
もちろん、転居するにはお金もかかることなので、何度もできないと考える方も多いかと思いますが、そういった金銭的な余裕もないとなかなか難しいというのが現実なのではないかと思いました。
一方で、私たちは、そういった失敗がないようにお手伝いができればと思って活動をしています。
お気軽にご相談ください。