2024/01/16(火) 01:01
佐久市の中古住宅購入の注意点と失敗しない選び方 -地域性も紹介-
住宅の購入は大きな決断です。
だからこそ、後悔のないようにできるだけ対策を取っておきたいですよね。
「安くて良い家を購入したいと思っているけど、どういったところに注意しておけば良いの?」
「佐久市特有の物件の探し方やルールがあったら知っておきたい」
チェックすべきポイントはたくさんありますが、できる限り負担なく、スムーズに購入したいですよね。
佐久市の不動産屋さんとして関わってきた経験から、中古住宅の購入の際の注意点、失敗しない中古住宅の選び方についてご紹介します。
中古住宅と新築住宅の違い:メリットとデメリット
そもそも中古住宅とは
- 完成から1年以上が経過している住宅
- 過去に人が居住したことがある住宅
のいずれかになります。
新築の場合は、住宅メーカーなどが直接販売することが多いですが、中古物件は不動産仲介市場ということで、不動産会社が扱うという違いがあります。
メリット1:購入時の価格が安く、値下がり幅も少ない
一般的に新築住宅は誰かが買った瞬間に2割程度、市場価値が下がると言われています。
また、中古住宅の価格はいつ建てられたかという築年数が大きく関わっていて、古い家ほど安くなるという傾向にあります。
そのため、同じ金額であれば中古の方が新築よりも広さがあって、立地が良い家を購入できる可能性が高いです。
また、一定程度年数が経っているので、その後の値下がり幅も新築に比べると少なくなります。
もし、引っ越しをして売却ということになっても、購入時からの値下がり幅が少ないと負担も少なくて済みますね。
メリット2:物件の選択肢が多い
佐久市の新築住宅は2011年から2019年の間は年間平均で643戸です。(総務省新設住宅着工戸数(総戸数))
一方で、空き家は2018年時点で9500戸と出ています。(総務省空き家数【戸】)
もちろん、空き家の中から中古物件として出る数はすべてではありませんが、中古物件として出る住宅には、今お住まいで転居するので売却といった方のものもあります。
また、新築は1つの区画で複数の住宅を販売していることが多いですが、中古住宅の場合は、いろいろな立地条件のものがあるというのも選択の幅を広げている一因かと思います。
建物をリノベーションして、間取りなどを変えられるというのも自由度を高めることにつながりますし、新築並みにきれいにといったことも可能です。
メリット3:暮らしがイメージしやすい
新築住宅では完成前に購入を決めることが必要な場合もありますが、中古住宅の場合はすでに建物があるので、日当たりや使い勝手などを確かめてから購入することができます。
まだ前の入居者がいる状態の物件であれば、実際に住んでいる様子を感じられるでしょう。
時には照明やエアコンなど、前の入居者が使っていた家具や家電などをそのまま使うことが可能な場合もあります。
分譲住宅と違って、そのエリアに一斉に引っ越してくるといったことではないので、近所にどういった人たちが住んでいるかということも事前に把握できるという安心感もあります。
デメリット1:維持管理のコストがかかる
一方で、デメリットとしては新築に比べると維持管理費用がかかるということです。
新築に比べると年数が経っているので、設備関係は確実に劣化しています。
そのための修繕費用が必要になります。
年式から、いつ頃に交換した方が良いかは判断できますが、実際にいつ調子が悪くなるかというのは前に住んでいた方の設備の利用状況によるので、予測しにくいというのが実際です。
古い家だと、断熱性が低いので、冬場は暖房費がかかるといったこともあります。
佐久市の古民家では冬に暖房をつけないと、寝ている時に寒くてまぶたが凍るという話を聞いたことがあります。
デメリット2:初期費用の負担大
新築住宅とは異なり、中古住宅の場合は、仲介手数料がかかります。
仲介手数料は法律で上限が決められていて、物件の価格が400万円以上の場合は、 取引物件価格(税抜)×3%+6万円+消費税 となっています。
たとえば、3000万円の物件の場合は105.6万円の仲介手数料がかかります。
デメリット3:住宅ローンや住宅ローン控除(減税)の要件が厳しい
住宅ローンの金融機関の審査は、住宅の資産価値で金額が決まります。
古い住宅ほど資産価値が低いと判断されるので、融資額が少なくなる可能性があります。
また、住宅ローン控除(減税)についても、新築住宅に加えて、以下の2つのどちらかの条件をクリアする必要があります。
- 1982年1月1日以降に建築された住宅であること
- 現行の耐震基準に適合していること
1982年1月以前に建てられた中古住宅の場合は、耐震基準適合証明書などで耐震基準を示す必要があります。
購入しようと思ったらまず考えること:資金計画と優先順位を決める
物件を探す前に、まずは予算を決めましょう。
仲介手数料や不動産取得税といった購入に際してかかる費用も含めていくらまでなのか。
そのお金は現金なのか、住宅ローンにするのかといったことを考えておく必要があります。
住宅ローンを借りる場合でも、契約時に支払う手付金は現金で支払う必要があることが多いです。
手付金の相場は物件の5〜10%なので、ある程度の現金が必要だと認識しておきましょう。
物件は1000万円だったけど、リノベーション費用に500万円かかったというケースもあります。
予算の中で、何を優先するのかを決める必要があります。
- 立地
- 間取り
- 設備
など、ここはこだわりたいという部分は明確にしておくと良いと思います。
たとえば、窓から浅間山が見える家が良いとなると、かなり物件数としては少なくなってくると思います。
そうすると、古い建物でリノベーション費用がかかったり、まちなかから遠く、利便性が悪かったりといった部分を我慢する必要が出てきます。
物件探し:基本的にはネットでチェック、最新情報は地元の不動産屋さんへ
基本的には不動産のポータルサイトなどで探していただければ、ある程度の物件は見つかると思います。
その時に注意すべきチェックポイントは以下の点です。
間取り
今、暮らしたいなという広さを確保するだけでなく、数年後のことも考えておきましょう。
たとえば、家族構成が変わると、必要な部屋が増えたり、減ったりします。
自身が年齢を重ねるとバリアフリー対応も必要になるかもしれません。
ずっと暮らし続けるためにはどうするかということを考慮いただくと良いかと思います。
立地条件
佐久市の場合は、車での移動が基本になると思います。
ただ、ちょっとした買い物は徒歩で行けると便利ではあります。
コンビニは近くにあるか、生活でよく使う施設は近くにあるかといったことを確認しておきましょう。
いざというときのことも考えて、災害警戒地域に入っていないかといった点も確認しましょう。
避難所や長野県が指定した浸水想定区域、土砂災害警戒区域等については、佐久市の防災マップで確認できます。
土地
法律上、建っている建物を壊すと建て直すことができなかったり、増築できなかったりといった土地があります。
再建築不可といった表記がされてあることが多いのですが、都市計画法や建築基準法に適合しないといったケースの場合です。
一定の要件を満たせば可能になる場合もありますが、なぜ再建築不可なのかといった理由をしっかり把握するようにしましょう。
価格が安いことが多いですが、その分ご自身が手放すことになった際にも売却が難しいといったリスクがあります。
建物の構造
いつ建てられた建物か、築年数を確認しましょう。
住宅ローンのところでも触れましたが、1982年1月よりも前の物件は現状の耐震基準を満たしていない可能性があります。
安心して暮らすためには耐震基準を満たすようなリフォームが必要になるかもしれません。
年数を経ている物件はすでにリフォームをしているものもあると思います。
リフォーム歴があるかも把握できると良いと思います。
築年数が古くても、リフォームがされていないということであれば、設備関係のリフォームが必要になるかもしれません。
より良い情報を得るための一手間
佐久市の場合、最新の情報やすぐに買い手が見つかるような物件はネットに掲載する前に不動産屋さんから直接声がかかったりするので、不動産屋さんとコンタクトを取っておくのがおすすめです。
あらかじめ条件を伝えておけば、物件が見つかった時に連絡をくれると思います。
いくつかの不動産会社に声をかけておくのが安心です。
ホシノマチ不動産ではLINEでお知らせさせていただきます。
ご関心のある方はお友だち登録をお願いします。
内覧の際の注意点
建物の外観と部屋の中をチェック
日当たりやにおいなど、感じられる部分をチェックしましょう。
細かい部分については、以下のリストで1つ1つチェックしていきましょう。
ー | チェックポイント |
---|---|
屋根 | 破損やずれがないか |
外壁 | 剥がれやひび割れはないか |
基礎 | ひび割れはないか |
天井 | 雨漏りなどのシミがないか |
屋根裏 | 雨染みや亀裂はないか |
床 | 傾いていないか、柔らかいところがないか |
壁 | 壁紙のはがれはないか、シミはないか |
水道 | さび水が出ないか、修繕履歴はあるか |
換気扇 | 換気扇がまわるか |
電気容量 | アンペア数はいくらか |
空調 | 不具合がないか |
ドア | 開閉はスムーズか |
窓 | 鍵はかかるか、断熱性はあるか |
佐久市は冬はマイナス10℃を下回ります。寒さ対策として、断熱性がどの程度かは必ず確認しましょう。
古い家の場合は、窓や壁からの冷気が厳しい場合が多いです。
もちろん、石油ファンヒーターで暖かい環境も作れますが、それだけ灯油代がかかることに注意です。
周辺の環境もチェック
古い物件の場合は土地の境界線がどこにあるか見てみましょう。
物や植栽などが越境していることもあるのでご注意ください。
ごみ捨て場など、近隣の住民の方々と一緒に使う部分を見ておくと、周辺の人たちがどういう方々かというのもわかることがあります。
また、事前に確認していたスーパーなど生活に必要な施設へのアクセスも、実際に歩いたり、車で行ってみたりするとわかることもあるので、確認しましょう。
込み入った事情はコミュニケーションで入手
気になる情報は案内してもらっている方に聞いてみましょう。
たとえば、なぜ売りに出されたのかということを聞いてみると、隣の人と合わなくてといった内容が出てくるかもしれません。
もしかしたら、仲介している不動産屋さんが建物の管理を担っているかもしれないので、どういった管理をしてきたかも確認してみましょう。
また、近隣の住民の方々の様子といったものも把握しておくと良いと思います。
契約の際の注意点
契約不適合責任(旧:瑕疵担保責任)をご存知でしょうか。
”契約書に記載のないことで、後から欠陥が見つかった場合、責任は売り主にあります”といった内容になります。
たとえば、雨漏りやシロアリ被害があった場合に、補修や損害賠償、時には契約解除といったことをすることができます。
ただ、責任を追及できる期間は、期限が定められていることが多いです。
売り主が個人である場合は、特記事項として引き渡しから2〜3ヶ月と記載されている事が多いです。
売り主が不動産会社(宅建業者)であれば、2年以上と法律で定められています。
期間が短くて不安といった方には、そのための保険(既存住宅売買瑕疵保険)が適用される住宅もあるので、それが適用になる住宅を探すのがおすすめです。
契約書に記載のある内容で不具合が出た場合は、買い主の負担となります。
中古物件は設備も老朽化していることが多く、思わぬ出費が出るといった可能性もゼロではありません。
住宅ローンはそういった想定外の出費も考慮した無理のない範囲のものにしましょう。
失敗しない中古住宅の選び方
価格は、基本的に築年数とリフォーム度合いで決まります。
そのため、安さ重視の場合は、築年数の古い建物を選びましょう。
その分かかるリフォーム費用については、DIYでやることで多少抑えられることもあります。 自分でやってしまおうといった意欲のある人には向いていると思います。
築年数が浅い建物であれば、リフォームは不要な物件が多いです。
リフォームのことを考えずに住みたいといった方には向いているかと思います。
築年数が古い建物で、リフォーム済みの物件がありますが、こちらはリフォーム度合いによっては非常にきれいなものもあります。
その分値段も高くなっていると思いますが、築浅の物件よりは安いことが多いです。
他にも、買取再販といった中古物件もあります。
これは、不動産会社や住宅メーカーなどが自社で買い取り、リフォームしてから販売する物件です。
この場合、得意な会社が自社でリフォームしているので、内装や設備のグレードに対して、値段が手頃なことが多いです。
住宅の所有者が自ら販売するので、仲介手数料がかからない場合もあります。
中古物件の場合は、ホームインスペクションという住宅調査を第三者に依頼する仕組みがあります。
これを利用することで、現在の建物の状況はどうか、今後どの程度改修が必要かといった見通しをつけることもできます。
費用の相場としては5〜10万円程度なので、長期的なことを考えると、利用するのも一つの選択肢かと思います。
中古物件を買うに当たっては、考慮するべきことが多くて不安という声も多く伺います。
最終的にみなさんが納得した上で購入していただくというのが大切で、そのために私たちもお手伝いできることがあればしたいと思います。
お気軽にご連絡ください。