2024/05/31(金) 21:10
二地域居住のメリット・デメリット-始める前に知っておくべき心構え-
移住というと、
- 農ある暮らし
- ワークライフバランス(丁寧な暮らし)
- 地域貢献
あたりに関心がある方も多いのではないでしょうか。
そういった点で、地方移住は魅力的な選択肢ですよね。
ただ、いきなり移住をするとなると、ハードルも高いので、まずは週末だけ地方で暮らすといった二地域居住をしてみたいという方も最近は増えています。
住まいが2つになれば、それだけ家賃もかかれば、移動の交通費もかかるなどコストが増えます。
家を借りたは良いけど、結局ほとんど使わなかったので、ホテルにすれば良かったということにもなりがちです。
良いところが着目されがちな二拠点居住ですが、始める前の心構えや生活を変えようとする意識も大切です。
そういった気をつけるべき点も把握することで、良い形での二拠点居住スタートにつなげていただければと思います。
二拠点居住のメリット
生活に広がりができる
二拠点居住の一番の魅力は、田舎暮らしと都会暮らしの両立ができるということかと思います。
自然環境という面では、きれいな空気、おいしい水や食べ物、すばらしい景色といったものをダイレクトに感じることができます。
普段は都会で時々田舎といった感じなので、リセット感、リフレッシュ感が味わえるというのは二拠点居住ならではの魅力かと思います。
地域での新たなネットワークができるということも魅力の一つです。
新たな地域に入っていくことになるので、世代やバックグラウンドの違う人たちと接することになり、触れる刺激も多いと思います。
地域に長く住んでいる人たちもそうですが、移住者のコミュニティというのも面白く、同じような価値観の人たちで知り合うことができるので、共感しあえることも多いと思います。
それに、それまでの都会の人間関係も保ちつつ、新たに構築できるというのが2つの地域を行き来するからこそできることですね。
役割を見つけられる
地域に新たな人材が来ることで、それまで不足していた部分を補えるといった強みがあります。
これまで抱えていた課題が人材が不足していたため、着手できなかったものの、二拠点居住の人が来てくれたことでできるようになったということもよくある話です。
二拠点居住だとずっとそこにいられないため、担える役割は限られますが、そういった中でも担える役割というのは意外とあるものです。
都心では仕事としてやっていたため、対価はお金ですが、地方の場合はお金で返ってくることは少ないかもしれません。
その代わり、野菜をもらえたい、直接ありがとうというお礼を言ってもらえたりといううれしさがあります。
二拠点居住という、いつかいなくなるかもしれない、一時的なつながりかもしれないという関係だからこその気軽さが強みとして活かせる部分もあるのではないでしょうか。
地域を知る機会になる
二拠点居住を考える方の中には、将来的にはその地域で暮らすことを考えていることも多いと思います。
そういう点で、地域を知る非常に良い機会になると思います。
二拠点居住をすることで、暮らすにはどういった地域が便利か、自分向いているのはどこかということを把握することができます。
また、住まいを探すにあたっても、地域の人が空き家があるから使ってと声をかけてくれることもあります。
全く知らない人に家を貸すよりは、知っている人に貸したいというのが多くの人の気持ちなので、二拠点居住をすることは、大きな強みになると思います。
二拠点居住のデメリット
二拠点居住には良いことばかりではありません。
もちろんデメリットもあります。
お金や手間暇がかかる
一番はっきりしているのは、お金がかかるということです。
家を2つ借りることになるので、家賃はもちろんですが、家電や家具、寝具、カーテン、食器類のような生活に必要な設備も用意なくてはいけません。
また、都心との移動の交通費もかかってきます。
頻度と場所によっては、家賃よりも交通費の方が高くつくといった場合もあると思います。
また、初期コストだけでなく、維持管理のコストもかかります。
これは費用という点もそうですが、時間や手間といったコストが大きいです。
たとえば、家で冬に長期間不在にする場合は水道管が凍結してしまうので、水抜きが必要といった地域があります。
また、雪が降ったら雪かきをする必要がありますし、夏は雑草を処理する必要も出てきます。
借りたら終わりではなく、その維持管理にもコストがかかることを意識しましょう。
そして、いつかは二拠点居住も終了します。
その時にも費用は発生します。
退去する際に家具などはどうするのか。
近隣の人が無料で引き取ってくれるということもあるかもしれませんが、カーテンや食器などは難しいものもあると思います。
そのあたりも意識しておきましょう。
人間関係の構築と維持に気を使う
新しい地域に入るということは、それだけ新しい人に出会うということです。
そのため、ゼロから人間関係を構築していく機会が増えます。
二地域でなく、多拠点居住となると、それがさらに大変になるようです。
定額制でどの地域にも暮らし放題ということで、いろいろな地域を転々としている方もいますが、そうすると、毎回地域で自己紹介をしてといったことを繰り返すので意外と大変です。
それが嫌になって宿泊先にいるだけとなってしまうと、自然環境は満喫できますが、話をする人もおらず、孤独を感じるといった状況にも陥るようです。
このあたりは人それぞれ、得意不得意があるかと思います。
そして、一度築いた人間関係についても、地域でのゴミ出しや一斉清掃といった行事への参加が求められたりということで、維持するのに配慮が必要です。
地域は自治会などの相互扶助の組織で成り立っているところがほとんどなので、そういったところへの参加があまりないと、良いとこ取りしているように見られてしまうこともあるので、注意しましょう。
二拠点居住をする前に意識をしておくべきこと
これまでメリット・デメリットを見てきましたが、二拠点居住をする際に意識しておいた方が良いことをご紹介します。
実現したいライフスタイルはなにか?
自然環境の良いところで暮らすだけであれば、ホテル暮らしでも十分かと思います。
週末に良い自然環境を味わいたいということであれば、毎週末どこかのホテルに宿泊してみてはいかがでしょうか。
二拠点居住は、それに加えて、地域の人たちと接して、交流するといった生活が加わることが特徴かと思います。
そういう点で、地域の人たちとの交流を考えていないということであれば、ホテル暮らしをおすすめします。
一方で、将来的に移住も含めて地域で生活をしたいということであれば、二拠点居住はおすすめです。
移住者が集まっているコミュニティがあれば、そこでいろいろな情報も手に入れることができますし、地域とのつながりもできやすいかと思います。
人との交流はしたくないけど、農作業をしたいという方もいるかと思います。
実は、農業というのも隣近所の関係が意外と重要で、隣の畑の人との会話は出てきますし、教えてもらったりすることも多いと思います。
地方で人との交流を遮断することはかなり難しいので、ご注意ください。
継続可能かどうか
先にも述べた通り、二拠点居住を始める際にはお金がかかります。
地域の活動が充実してくると、車もほしいし、農業をやるには軽トラックもといった気持ちも出てくるかもしれません。
一方で仕事はあって、それとの両立ができるかという問題も出てくる可能性があります。
頻繁に通える距離感なのか、これから仕事が忙しくなった時はどうするかといったことも考えておくのが良いかと思います。
継続できないとなったらやめれば良いという考えもありますが、せっかく築いた地域とのつながりは大切にしたいですよね。
はじめから、どの程度の頻度であれば継続可能なのかイメージしておきましょう。
結論は急がない
二地域居住の際に、一番気になるのが住まいの問題かと思います。
長く暮らすのだから、気に入ったところで暮らしたいという想いには非常に共感します。
しかし、地域では良い物件というのはなかなか出てこないというのが実情です。
また、理想と現実というのは別物なので、まずはハードルの低いところからスタートするということをおすすめします。
具体的には、家を購入するよりも、まずは賃貸で暮らしてみること。
古民家よりは、最近建てられたアパートなどではじめてみることがおすすめです。
良い物件だなと思って暮らし始めても、家は良くても地域が合わなかった、外観は良かったけど暮らしにくかったという話もあります。
暮らし方については、自分の合ったものを焦らず決めてみてはいかがでしょうか。
二拠点居住については、いろいろな要望があるので、一概にこの形が良いというのがおすすめしにくいというのも正直なところです。
心配なところなどございましたら、お気軽にお問い合わせください。