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佐久市移住・不動産事情

2024/02/26(月) 00:09

佐久市空き家制度すべて-空き家バンク、住まいオーダー、市、補助金-

牧原

佐久市の空き家活用の取り組みは、空き家バンクが2013年に成約率日本一となったように、先進的なものとなっています。

最近では、空き家バンク以外の取り組みも開始し、いろいろなニーズに応えられるようにといった広がりを見せています。

一方で、制度が複雑になってわかりにくいという声も聞かれるので、ここでまとめてみました。

補助金については頻繁に変更されるので、しっかり確認しておきましょう。

空き家バンク すぐに住める空き家を紹介

なぜ成約率日本一なのか

佐久市の空き家バンクが成約率日本一になった理由は2つ。

1つは、すぐに住める空き家のみ紹介しているということです。

一般的に空き家というと、ボロボロの家といったイメージかと思いますが、佐久市の空き家バンクは事前に市役所で空き家の状況をチェックしていて、その審査を通過したもののみ登録をしています。

もちろん中には改修が必要な物件もありますが、すぐに住める物件が多いので、内見したときに暮らしのイメージがつきやすいんですね。

そこがハードルを下げている要素になっています。

もう1つは、佐久市役所の職員が案内をする安心感です。

物件の問い合わせは、市役所の移住交流推進課に行います。

そこで、職員の方が率直な意見とともにその物件の状況を案内してくれます。

不動産会社だと、ついつい営業トークなのではと疑ってしまいがちになるかもしれませんが、市役所の人であればそういうイメージも払拭できるということが大きいですね。

ただ、市役所はマッチングを行うまでで、契約については所有者もしくは不動産会社と直接やりとりをする形になります。

空き家バンクの利用上の注意点-登録が必須、物件情報は早めに入手-

空き家バンクの利用で気をつけることがあります。

それは、事前に登録が必要ということです。

見学希望日の原則1週間前まで登録が必要です。

登録は佐久市役所へ行うことになります。

その際の加入要件として、

  • 定住または定期的に滞在して、経済・教育・文化・芸術活動などを行うことにより、地域の活性化に寄与できる方
  • 定住または定期的に滞在して、佐久市の自然環境、生活文化などに対する理解を深め、地域住民と協調して生活できる方

ということが決められています。

登録は、佐久市空き家バンク移住検討者の皆様(利用の流れ)からご登録ください。

ただ、こういった取り組みの結果、最近ではすぐに住める空き家が少なくなっています。

2024年2月25日現在での空き家バンクの登録は、9件です。

新規の物件が出ると、すぐに決まってしまうということもあるので、事前に登録をしておくことがおすすめです。

空き家市(いち) 改修が必要な空き家、別荘を紹介

空き家バンクの物件掲載に限りが出てきたため、すぐには住めないけど、活用してほしいという物件を紹介することになったのが、空き家市(いち)です。

古民家、別荘、DIY物件が掲載されているのが特徴です。

空き家市には、

の2つのページがあります。

空き家バンクとの違いは、掲載されている物件を扱っている不動産会社に直接連絡をするということです。

物件は、事前に市の職員が空き家バンク登録物件チェックリストに沿って物件の確認をして、以下の10項目すべてが可であれば空き家バンクに登録、1つでも不可があれば市に登録という形になっています。

  1. 土砂災害特別警戒区域・危険地区でないこと。
  2. 目視により、外壁にクラック・剥落が見当たらないこと。
  3. 目視により、躯体・基礎に補修の必要が見当たらないこと。
  4. 目視により、害獣の被害が見当たらないこと。
  5. 普通乗用車用の駐車場があること。
  6. 所有権等について係争中ではないこと。
  7. 事故物件ではない、もしくはこれに類する事情がないこと。
  8. ある程度の残置物処理が行われ、写真撮影をする上で 支障がないこと。
  9. 適正価格で売却又は賃貸物件として空き家バンクに登録することを家主が承諾していること。
  10. 別荘物件に該当しないこと。

住まいオーダーサービス こういった空き家がほしいと要望でき、あとは待つだけ

住まいオーダーサービスは、移住希望者から、「こんな住まいを探しています」という「オーダー(注文)」をもらい、不動産会社や個人所有者からの物件情報とのマッチングを図る制度です。

※市内在住の方は別制度となります。

賃借・売買、戸建て・集合住宅・土地、価格帯、間取りなどを聞いて、そのニーズに基づいた物件を市がマッチングする仕組みです。

空き家バンクは移住したい人が自ら物件を探す形になりますが、住まいオーダーサービスの場合は、要望を伝えて、後は待つだけの制度です。

要望に応える期間は2ヶ月間のみとなっています。

そのため、参加資格が

  • 佐久市内で物件をお探しの移住希望者
  • 直ちに契約交渉に入れる方

となっています。

空き家活用補助金は所有者対象

佐久市の空き家活用に関する補助金は、現状ではすでに市内に住宅を持っている人が対象なもののみとなっています。

無接道敷地に建つ空き家の解体工事費用に対する補助金

1つは無接道敷地に建つ空き家の解体工事費用に対する補助金です。

これは、空き家を持っている人の隣の土地が、再建築不可の敷地(道路に接していない、または接する部分が2mに満たない敷地)に建つ空き家の場合は、空き家を除却するお金を補助しますといったものになります。

目的としては、再建築不可の物件だと、買い手がつかないことが多いので、隣の敷地の所有者に買ってもらって、使われない空き家のままになることを防ごうという趣旨のものです。

これから購入しようという家の隣にこの対象の物件がある場合は、将来的にこちらを活用して、敷地を増やすということが可能になるかもしれません。

地域の活性化を図るための空き家改修及び除却に対する補助金

もう1つは、佐久市空き家再生等推進事業です。

こちらは、全国的に同様の制度があるものなのですが、改修の補助金と除却の補助金の2つがあります。

改修については、10年以上地域活性化を図るための施設とすることを要件に240万円(改修工事にかかる費用の3分の2以内)がもらえるというものです。

除却については、30年を越える期間継続して、跡地を無償で地域住民の交流の場となる公園等の用に供するための整備を行う事業で、240万円(除却及び跡地整備費用の5分の4以内)がもらえるものになります。

いずれの制度も要件があり、そのあたりをしっかりと把握する必要があります。

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