2025/04/03(木) 01:41
相続した土地・建物(負動産)で損しないための4つの方法
親族から田舎の土地、建物を相続したけど、どうしよう。
山もあるみたいで…。
そんなご相談がよくあります。
特にご自身は都心にお住まいで地域のことを知らないと、頼る人もいなくて困るという方も多いようです。
先祖代々のものだから売却はしたくないけど、持っているだけだと毎年固定資産税がかかったり、草刈りなどの管理費用がかかったりとお金ばかり出ていってしまう。
そういった不動産のことを、負動産と呼ぶことも多いようです。
できればお金がかからないようにしたいですよね。
さらに言うと、うまく活用して収入を得られたら最高ですよね。
今回は、そういった物件にどう対処したら良いのかという点についてご紹介します。
負動産を維持するための2つの道:攻めと守り
負動産は、支出を少なくする守りと収入を増やす攻めの2つの道があります。
不動産の支出は、税金、維持管理費用の2つです。
税金については、土地、建物の用途を変更したりということで削減する方法もあるのですが、そうするとその後の活用や売却をする際に問題が出ることがあるため、今回は維持管理費用の削減についてご紹介します。
維持管理費用の削減方法:建物と庭・田畑
維持管理で問題になるのは、大きく分けて、建物と庭・畑の2種類になります。
建物については、定期的に空気の入れ替えなどをしないと痛みが早くなってしまうため、それを防ぐための窓開けが1つ。
もう1つは、ポストに投函物がたまっていないか、建物に雨風の影響で破損がないかなどを確認するという点検です。
お願いする先としては、価格の安い順に近隣の住民や親族、シルバー人材センター、管理会社の3パターンが挙げられます。
近隣に知り合いや親族がいる場合は、その方にお願いするのが一番かと思います。
もちろん、ただでお願いするわけにもいかないので、謝礼や手土産などが必要かと思いますが、最も安く済む方法かと思います。
人間関係が大きく影響する部分なので、知り合いがいなければ難しいですし、お金を払ってさっぱり済ませたいという方には向きません。
ただ、地方では近隣が高齢化していたり、独居だったりと時間に余裕がある人も多いのが現状です。
そういった関係を築けると、スムーズに維持管理ができるといったケースもあります。
次に安いのがシルバー人材センターです。
地域の高齢者が働きたい場合に職を求めるのがこちらで、空き家の管理なども行っているところが多いです。
あまり専門性が求められるものでもないですし、シルバー人材センターの運営は行政が関与しているので信頼面でも安心感があります。
その都度依頼するものなので、点検してほしいなと思ったごとに依頼するというのが少し手間かと思います。
3つめが管理会社です。不動産屋さんや警備会社など空き家の見守りサービスを行っているところがあります。
価格は高めですが、パッケージとしてのメニューがあると、年間を通して行ってくれるので、一度お願いすれば、定期的な報告を送ってもらえるといった手間がない点が良い点かと思います。
その際におすすめなのが、ふるさと納税です。
ふるさと納税の返礼品として空き家の管理をやってくれるサービスが登録されていることが多くあり、それを使えば実質的な負担がほとんどなく空き家管理をしてもらうことができます。
次に庭・田畑の維持管理です。
庭・田畑については草刈りが一番の問題かと思います。
草を刈っておかないと住んでいないことがわかるので、治安の方面から不安になりますし、地域の方からの目も気になってしまいます。
畑の場合だと特に、近隣に迷惑がかかることになるので、必須です。
また、全く管理をしていない耕作放棄地としてみなされると固定資産税も上がってしまいます。
では、どうすれば維持管理を安くできるのでしょうか。
一番良いのは、近隣の方に貸すことかと思います。
その際ですが、地元の方はまず借りないと思います。
借りてくれるとしたら、移住者です。
移住をしてきた方は農業に関心が高い方も多いので、無料で良いから使ってと伝えると、喜んで使ってくれることがあります。
注意点としては、移住者は基本的に農業の素人なので、やってみたら思ったよりも大変だったということですぐにやめてしまったり、農薬を使わないため、雑草だらけになってしまったりということがある点です。
事前にどの程度の期間使ってもらえるか、どういった形で使うかということを簡単に聞いておくと安心かと思います。
収入を得るための2つの方法:賃貸、民泊
一方で、活用ができないと思われる負動産から、収入を得る方法もあります。
というのも、地元の人にとっては価値のない物件でも、外から見ると価値のあるものという物件もあるからです。
外というのは、地域外の日本人もそうですし、外国人なども考えられます。
大前提として、着手は早ければ早い方が良い
家は、人が住んでいない期間が長くなれば長くなるほど傷んできます。
そのため、いざ活用しようと思っても修繕が必要になったりということが出てきます。
空き家になってしまったら、そのままにしておかず、できる限り早い段階でどうするかを考えておきましょう。
その一歩が後々大きく影響してきます。
賃貸して、収入を得る
収入を得る方法の1つとして、家を賃貸に出すというものがあります。
もともと人が住んでいた場合は、水回りなどもそのまま使えるかと思いますので、比較的ハードルは低く貸すことができます。
最も大きなハードルは、家の中に家具などが残っていて、その処分をどうするかという点かと思います。
仏壇などもあることが多く、処分費用も一定程度かかります。
意識いただきたいのが、このような処分費用は遅かれ早かれかかるということです。
どうせいつか費用がかかるのであれば、早めに対応をして、物件を活用できる状態にすることがおすすめです。
借り手が見つかってから残置物を処分するという方もいらっしゃいますが、借り手はすぐに住みたいという方が多いです。
そのため、希望者が内見をする段階で家の中はすっきりした状態にしておくことが良いです。
民泊として運営して、収入を得る
もう1つの方法は、宿泊施設として運営を行う形です。
昨今のインバウンド政策の流れから、規制緩和で宿泊業のハードルは大きく下がりました。
また、外国人にとっては日本の古民家で暮らすという体験は価値のあるもののため、日本人のニーズはなくても、外国人にとってはニーズがあるという物件もあります。
運営をする場合、宿泊業登録のために行政手続きや宿泊のために必要な設備をそろえるため、一定程度の初期投資が必要になることも認識いただく必要があります。
また、宿泊者募集や清掃といった業務が発生します。
首都圏だと民泊代行会社が多数ありますが、地方の場合はあまりないところもあるので、そういった管理会社があるかどうかは予め確認いただくのが良いと思います。
賃貸の場合は1ヶ月5万円の物件でも、宿泊の場合は1泊1万円以上とることも普通なので、手間を考えなければ、宿泊施設とした方が収益性は高くなります。
連泊のお客さんに限定したり、1ヶ月の宿泊日数に上限を設けたりすることで、利用状況を制限することも可能です。
固定資産税程度の収入があれば良いということであれば、7月、8月だけ運営してといった形でも十分成り立つかと思います。
いかがでしたでしょうか。
方法としては、さまざまありますが、それぞれのニーズに合った形での活用を検討いただければと思います。
私たちも賃貸物件としてはもちろん、民泊としての活用も行っておりますので、遠慮なくご相談ください。